フィレンツェ旧市街南部の丘の上に立つサン・ミニアート・アル・モンテ教会前の広場からの眺望は素晴らしい。ベージュ系統で統一された別荘、緑の糸杉と紅葉した木々の並木道、そしてオリーブの丘の先にフィレンツェの市街が広がっている。しばらく絶景を見ながらメモを書いていると、アメリカ人の老夫婦に「写真を撮って」と頼まれた。
(サン・ミニアート・アル・モンテ教会)
「素晴らしい眺めですね」と私が言うと、奥さんは「20年前にも同じ場所で写真を撮ったのよ。とても若かったわ」と微笑んだ。通りに抜ける階段を下りながら教会の方を振り返ると、2人はずっと同じ場所に佇んでいた。
中心部からアル・モンテ教会までの道のりは長かった。町の真ん中を流れるアルノ川に掛かるフィレンツェ最古のヴェッキオ橋を渡り、ピッティ宮の裏山というか丘を登って行ったのだが、本当は有名な展望台ミケランジェロ広場を目指していた。ところが途中で道を間違えてしまったのである。急に観光客風の人たちが前にも後ろにも見えなくなったので、歩いているうちに不安になったが、案の定、丘を登りすぎてしまったようだった。
(ピッティ宮の裏山を登る)
ヴェルベデーレ要塞の入り口ところで左折するべきなのに、そのままサン・レオナルド通 りを直進してしまったのがいけなかった。昼食を食べたヴェッキオ橋近くのトラットリア「カミーノ」を出発してから2時間近く掛かった。その代わり、サン・ ミニアート・アル・モンテ教会やミケランジェロ広場よりもさらに高いところからフィレンツェの全景を眺めることができた。
